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1・言葉の背景
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『言葉』は人類が生存してゆく上での道案内として、日常生活のあらゆる場面で行動を規制するスイッチ役として機能してきました。また或る時は不安や恐怖を和らげる灯りや気付け薬としての役割も果たしてきたと考えても決しておかしくありません。『言葉』は人類が「いつでも」「どこでも」唯一持ち運ぶことの出来る万能の玉手箱のようなものです。

『言葉』は人類がその必要から生み出してきたものの中でも最高の創造物であり、今日まで引き継いできた最大の遺産といえましょう。

『言葉』が生み出された背景には、家族を最小単位とした集団における危険情報を共有する必要から経験的に記憶され蓄積されてきたものです。初めは他の動物同様に単なる唸り声から始まり、一つの対象に対し同じ視点から認識を共有するものには同じ音声(符号)を発するという約束(記憶)を積み上げ、より複雑な概念を生み出すまでに発達してきたと考えられます。

この我ら太陽系第3惑星・地球号の上では、未だ戦争や紛争が絶えないとはいえ未開の原野で肉食獣や未知の菌やウイルスや有毒食物など諸々の危険に対して全く無知で無防備だった頃を生き抜いてきた人類にとって今日という日は高度に文明化された社会ということが出来ないでしょうか。

この文明の礎を築く原動力となったものは、自分自身を含む対象を客観的に認識し識別し記憶し共有し分かち合うことで協力しあうことを可能にした『言葉』の果たしてきた役割を忘れては有り得なかったと考えられませんか。

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『言葉』は人類がこれまでに為してきたことを可能にした基本ソフトウエアであり又これからも遭遇するに違いない無数の困難を打開してゆくツールを作成する基本ソフトウエアとしての役割を果たしてゆくことでしょう。

また、人間形成の上では勿論のこと、正確な意思の伝達手段として、文化・文明の担い手として、また広くは国際交流や世界平和の構築といった困難な課題を解決するための役割を『言葉』が担ってゆくことは確かです。

世界に多くある言語の中でも、特に古から自然と共存し多様な精神文化を内包する日本語の果たす役割は決して小さくないと考えます。そういう意味からも、日本語文化圏からは可能な限り事実に基づいた判断やメッセージを発信し、社会に混乱を引き起こすようなことの無いよう、伝達の手段として適切な『言葉』を継承してゆきたいものです。

2007/01/27

《注》

(1)基本ソフトウエア:「汎用作業実施手順書」とでも解釈できます。
(2)ツール:対象に接近して必要なものや能力を手に入れ、物や概念を作り出す手助けとなるもの。目で見えるものだけとは限らない。新しい視点を通して得た認識に基づく『言葉』はその対象となる世界を切り拓く『メス』(小刀)となり、またその世界への扉を開く『鍵』としての働きをするので立派なツール(支援工具)と言えます。これまで認識し理解することすら出来なかった物や事象が分かるようになったとしたら、それは暗闇を照らす『灯り』としての働きをするツールとも言えるでしょう。

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